2週目のクルーズで最初に停泊したのはEidford。
ノルウェーはいつか行きたいと思ってはいたが、いつ行くかも分からなかったし、この国に関してのリサーチは全くしていなかった。
勿論街や場所の名前、有名な観光地の情報も全く無知だったので、船のスケジュール表を貰ってからは、ポートでインターネットが使える時に、停泊するポートとその周辺の事を調べた。
どうやらこの14日間のノルウェークルーズでは、ノルウェーのフィヨルドや北極圏まで、絶景と言われるこの国の見所を航海していくようだ!(今更驚いてワクワクしてるのは、多分この船で俺だけだろう笑)
ゲストとの会話の中でも『普段は行けない場所まで行けるからこのクルーズを1年前に予約した』なんて声を聞く。
中には世界一周をしている、歳は多分俺と同じ30代前後くらいのロシア人カップルが、本当なら陸路で車を使ってキャンプをしながら行きたかったけど、クルーズの行き先を見て、ノルウェーだけはクルーズで旅する事に決めたと言っていた。
さて、最初に降り立ったこの場所は、最初からメインストップ?!と思える程素晴らしい場所だった。

朝起きると滝とフィヨルドに囲まれて、目の前には小さな町があるだけ。車は殆ど走っていなくて、小さなスーパーが一見、カフェが数件、お土産屋が2件あるだけだ。
朝の撮影を終わらし、フォトグラファーチームの二人とマウンテンバイクを借りて外へ出た。(スタッフは無料で自転車をレンタルできる)
さすが豪華客船、無料レンタルバイクと聞くと、ショボいママチャリを想像していたが、立派なマウンテンバイクで、周りが引くほど俺のテンションが最高潮に。

快晴で気温も暖かく、これからバイクで出かけるのに、一緒に出掛けた二人は何故か厚着だ。二人とも砂漠出身だから、気温の感じ方が違うのだろうか。
俺は勿論サンダル、Tシャツ、海パンで出かけた。
大通りを抜けて小道のウォークウェイに入り、森の中を勢いよく駆け巡った。アフリカ出身の彼は叫びまくる。アフリカ人は運動をすると叫ぶんだ。
途中湖を見付けて、俺は迷わず飛び込んだ!
これは大きな間違いだった。

夏のノルウェーの水温がこんなに冷たいなんて知らなかった。誰も教えてくれなかった。そりゃそうだ、どこを見回しても、水着を着ているのは俺一人。
水へ入った瞬間に、心臓が固まった気がした。それなのにアフリカ人のラビは
「おい、クレイジーなジャパニーズの写真撮るぞ!Shu,そこを動くな!」
と無慈悲な指示が飛んでくる。
仲間とこんな風に時間を過ごしていると、毎日がホリデーのようで、仕事が最高に楽しい。
自分達が誰よりも楽しんでるんだ、そこにいるゲスト達に最高のサービスが出来ない訳が無い!
フォトグラファーとしてこの船に乗れて、このチームに巡り合えて、本当に恵まれていて感謝の気持ちしかない。
湖を出て、更に山を登る。
インド人のガネッシュとラビはすぐに弱音を吐くが、絶景が待っていると煽てて一緒に登らせる。
広場に出ると、目の前に大きな岩があって、その岩の一部の模様を見ていると、まるでトロルのようだ。ノルウェーは世界的に有名なお伽話発祥の国としても有名で、トロルやゴブリンなどの言葉は色々な所で見かける。

腰くらいまで草が生える原っぱに出る。
道は右か左へ進んでいるが、どっちへ行っても行き着くのは真正面だ。
「それなら真正面を突っ切ろう!」
というと、二人は反論。
ガネッシュ「草むらには蛇がいるだろ!ヤバイ虫もいるかもしれない!」
ラビ「それに忘れるなよ、ノルウェーにはトロルがいるんだ」
そんな二人を無視して先頭を歩き、草を掻き分け道を作って歩いてく。
二人がどう思ったかは知らないが、俺はこんな時間が最高に幸せだ。
嫌がっていた二人も、何だかんだ楽しんでいる。

目一杯楽しんで、午後の撮影が始まるのに合わせ船へ帰った。
中にいても外にいても、ずっと撮影撮影。こんな生活、写真が好きじゃなかったら地獄かも知れない。笑
でも写真が本当に大好きなフォトグラファーたちにとっては、最高の環境だ。
次に向かうのは、美しい街並みで有名なBergen。
楽しみながら仕事が出来ているようで羨ましい限り。この調子でエンジョイしてください!
ところで三島に忘れ物しなかった?
ありがとうございます!
あれ、何か忘れましたっけ…メッセージしますね!