最初の仕事はオランダ↔︎ノルウェー間を旅する7日間のクルーズだった。
ノルウェーで訪れた町は首都のオスロ、クリスティアンサンド、スタベンガー、そしてフラン。
船に乗った最初の1週間はトレーニングが沢山あって、中々休める時間も少ない。
特に、船で生活する上で火災が発生した時の避難訓練やイメトレ、知識を確認する講義やテストは何度も行われた。

その限られた時間の中でも、船がポートに止まっている間は出来るだけ外へ出た。
スタベンガーは今回の旅で特にお気に入りで、いわゆる”ヨーロッパ風”な景色が広がっている。
家の前や角には花が咲いていて、足元は石畳、坂が多く、登れば見晴らしが良い。

スタベンガーに着いた日はオーシャンデー。
海への感謝の気持ちと、人間の持つ責任を再確認しよう、という日だ。
海上で生活する私達にとって、海はホームであり、しっかりとリスペクトの気持ちを持って自分達が出来る事から始めて、この海を綺麗にしていこうという講義を朝、スタッフ全員が受けた。
ビュッフェの食事が多く、これだけ多くの人が船で生活していれば、この船ひとつにしても食べ物や一般ごみの廃棄がすごい量になる。
会社として環境に対して細心の注意を払っている事は素晴らしいと思った。
スタベンガーの街は歩いているだけでとても楽しい。道を歩くローカルの人と目が合えば、笑顔で挨拶してくれる。
広場に出るとマーケットが開催されていて、ここでアイスコーヒーを飲んだ。Coffeeの横にWIth toffeeと書かれていて、トーヒーって何?と聞くと
「キャラメルのような甘いソースだよ。」
と教えてくれた。
注文してみると、そのソースの他に、生クリームをたっぷり、さらにその上には小さなチョコレートボールが振り掛けられた。
よく見ると、マドラーやストローには紙や竹が使われていて、角砂糖は一個一個梱包されたものではなく、すべてむき出しで置いてある。

環境に対する意識の高さでは、俺の住んでいたニュージーランドは世界トップクラスだと思っていたが、北欧は更に意識が高いように思える。
彼らはポーランド人で、夏はノルウェーで働き、冬はもっと物価の安い場所で半年を過ごして、また夏になるとノルウェーに戻ってくる生活をしているそうだ。

今年はバリ島に行って、海を綺麗にするプロジェクトをやりながら暖かい冬を過ごすんだと話していた。
皆自分の希望や理想に対して本当に真っ直ぐだ。自分の脳みそを、自分の人生を豊かにするためにフル回転させる事は、言ってしまえば当然の事かもしれない。
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