2015年から2018年までの3年半の期間住んでいたニュープリマス。もともとこの街のことは何も知らず、たまたま仕事のオファーが来たお店がニュープリマスにあっただけで、この街に住むのにそれ以外の理由は一つもなかった。
一年間で一番天気も安定して晴れの日が多く、気温も暖かくて人も活動的になる真夏の2月に来て、まもなくしてニュープリマス最初の冬を迎えた。晴れ間が一気に減り、日照時間も短く、何よりも休みの日に遊ぶ仲間が居なかった。
正直最初の頃はタラナキの嫌なところばかりが見えてきて、気がつくと文句を言って暮らしていた。
幾度となく転機を迎え、あっという間に3年の時間が経ち、気がつくと連絡もせずにひょっこり遊びに行ける気の許せる仲間がどんどん増えていた。
街を歩けば知り合いに会い、ビーチに行けば誰かしら友達がいる。ここは自分の住む街だ!と誇りを持って生活出来ていた。
去年三島で写真展をやった理由は本当にシンプルで、ただニュープリマスが好きだから、自分の大切な大好きな街を、姉妹都市である三島の人にも見てもらいたいと思ったからだ。
三島へ訪れた事はまだ一度しかないが、ここでもまた素晴らしい出会いに恵まれた。
そこで、2つの都市を写真で繋ぐ意味で、今度は三島の写真を撮影し、ニュープリマスでその写真展をやろうと考えた。
(何故市長と会える事になったかは前回のブログを見て欲しい。)
市長と会う機会なんて今までにそうそう無かったし、英語で市長をどう呼んだら良いか、友達に聞いたり調べたりしたくらいだ。笑
でもここは流石ニュープリマス、普通にNeilで平気だった。(一緒に来た元フラットメイトのダニーはHey broとかなりカジュアルに読んでいたが、それもとても自然に見えた)
丁度俺がタラナキに帰れる時期がNeilが特に忙しい時期だったらしく、与えられた時間は15分だけだったので、話を出来る限りコンパクトにまとめた。
要は去年の三島での活動の報告と、自分の活動の趣旨、今回の写真集完成の報告をした上で、次回のプロジェクトの話をして、そこに対する市からの援助を貰えたらこのミーティングは成功だと頭で妄想した。
結果、市長は俺がやろうとしている日本の写真展に共感してくれて、企画書を出すように求められた。
それも、2021年が三島とニュープリマスの姉妹都市30周年の年であることもあり、何かイベントをするならこの上ないタイミングだ!と言ってくれた。
このミーティング中、気付いた事が一つあった。
新聞の記事に載せるため、記者とカメラマンがミーティングには同伴したのだが、ミーティングの最後に写真集をNeilにプレゼントし、その場で見てもらった。この写真イイな、とか、このページが俺のお気に入りだ!なんて話している際、フォトグラファーがパシャパシャ写真を撮っていた。意識は市長よりも、フォトグラファーがどの角度からどんな風に撮っているかに行ってしまっていたが(笑)最後にダニーが『SNSで紹介するから、ちょっとその写真集を持って握手して』と促した。この指示をしているのがフォトグラファーではなくダニーだった事に少し笑えたが、握手をしてフォトグラファーを見ると、もうカメラをしまおうとしている(爆笑)
多分一般的な日本人の感覚で言うと、この握手の瞬間が一番フラッシュを焚いてシャッターの音がうるさくなる瞬間ではないだろうか。
そこには全く興味を持たず、2人でラフなトークをしている時に一番集中して写真を撮影し、結果選ばれたのがこの写真だった。
SIMON O’CONNOR/STUFF
これには少し驚いたが、と同時にニュージーランドの風習や文化を感じた瞬間でもあった。ぶっちゃけ、カメラ目線で握手してる写真なんて在り来たりで、上っ面だけっぽくて、作られてる感があって俺も全然良い瞬間とは思わない。でも、写真の買い手(メディア)がその瞬間の写真を求めているなら、それは撮らないといけなくなる。
きちんとした場でのミーティングですら、誰も飾ることもなく自然体で、出来上がる写真も自然な姿を抑えてくれていて、よりニュージーランドが好きになった。
そして次の日にはこの記事が驚く程大きく新聞に取り上げられてる事には更に驚いた。笑
別にニュースやメディアって、世の中の悪い事を伝えるために存在しているわけではないはず。日本で朝テレビをつけていると、嫌なニュースばかりで俺はすぐにテレビを消してしまう。もっと市民が頑張る姿や、感動するようなストーリーや、なんでもいい、もっと「ここに生まれて住んでいて良かった!」って思えるような事に焦点を当てても良いように思えてならない。

俺はメディアで働いているわけではないし、誰から頼まれてこうして旅をしながら写真を撮っている訳でもない。でも、自分が見たものを写真に写して世の中に発信するのが自分の役割だとしたら、発信するテーマは”希望”であるよう心がけている。
話は戻るが、ひとまずこの写真展開催は2021年で決まりそうだ。後は今後内容を煮詰めて行く事になるので、もし良いアイディアやコラボなど、ある人は連絡ください!
同時に、三島のここをニュープリマスの人に見せたい!こんなすごい人がいる!秘密の場所を教えてあげる!など、そういった情報も随時募集します!
その前に、まずは目の前に控えた三島のイベント!
5月25日、26日は静岡の三島で、姉妹都市イベント第二弾を行います。
・写真集を見て触って購入できます
・新たに撮影したニュージーランド写真の展示
・2018年の写真展を後に、今後三島とニュープリマスとを姉妹都市関係。今後どのように働きかけていくか
・再度訪れて感じたニュープリマスの魅力や、ニュージーランドの秋のお話(ニュージーランドの四季の感じ方)
などを、料理と一緒に楽しんで頂く空間として準備を進めています。
ディナートークは20名限定となります。ご予約は店頭にて。(来店が難しい場合は僕まで直接連絡を下さい。)
ディナートークへの参加が難しい方は、25日、26日はお店にいる予定ですので、是非立ち寄ってみてください。
詳細はこちらから→https://www.facebook.com/events/282719212660288/
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