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ニュージーランドから訴えられる?!

21/07/2019 by shu0603 Leave a Comment

久々のブログにして、今日は船の話は置いといて、4月に発売したニュージーランドの写真集”Like No Other”がまたニュースに取り上げられた。でも今回は前回新聞に載った時とはだいぶ内容が違う。

タラナキ新聞社から連絡が入った

ある日、僕の住んでいたニュージーランドのタラナキ地方の新聞社からFacebookのメッセンジャーで連絡が入った。

記者「聞きたいことがあるので、このメッセージを見たら返信ください」

急な連絡で何だろう?と思いながら「今はクルーズ船で働いてるので、返信が遅くなるかもしれないが」と付け加えて返信した。

すると彼から「あなたが発表したニュージーランドの写真集に含まれるエグモンド国立公園の写真を使用するにあたって、環境省からライセンスを取るように言われましたか?」

と聞かれた。

何の事だと思い「国立公園だろうと、風景写真の使用に許可や費用が必要なんて、考えもしなかった」と正直に答えた。加えて「必要なものならこちらとしても申請を検討する」と伝えた。

それから数日…。

久々にwi-fiに繋げてFacebookを開いたら、妙に色々な人からメッセージが入っていた。

なんと驚く事に、この会話の内容をそのまま新聞の記事にされたのだ。

記事の内容は以下。(英語)https://www.stuff.co.nz/environment/114191801/photographer-accidentally-runs-afoul-of-conservation-rules-with-pics-of-mt-taranaki?rm=a

日本人フォトグラファーが知らずに違法で写真を使用!?

簡単に言えば、『日本人のフォトグラファーが誤って、国立公園で撮影した写真を許可なしに販売目的に使用した』という記事だ。

加えて、例年増えているプロフォトグラファーやプロビデオグラファーによる無許可の写真撮影や、ウェディング写真のロケ地として国立公園を無許可で使用している例が挙げられている。

ニュージーランドは特にここ5年ほど、世界から注目を浴びて観光客の数はどんどん増えている。

それに合わせて、海外から”ニュージーランドでウェディング写真の撮影をしたい”と言う人も増えている。

星空に大自然、多くある絶景に対し少ない人口、隠れた名所も多いニュージーランドは、ウェディング撮影にはピッタリかも知れない。

外国人フォトグラファーが海外から人を連れてニュージーランド国内で撮影の仕事をするにはビザが必要だなのに対し、多くのフォトグラファーはビザの申請なしにニュージーランドで撮影の仕事をしている、という記事を以前にどこかで読んだのを覚えている

残念ながら今の時代は何をするのにもお金がかかる。お金が全てではないが、どこの国で生きていくにもお金は必須だ。

ニュージーランドの環境省の方針として、国立公園をロケ地とした”利益を目的とした”撮影に対して、お金を徴収する事に決めた、となれば、確かにそれは残念ながら、守るべきルール。

それにしてもこれは酷い名誉毀損だ。

ニュージーランド人、外国人に関係なく、風景写真を撮影して販売するのに国の許可が必要なんて、誰が想像するだろうか?国立公園は国の持ち物ではなく、市民のもの。更に言えば、自然は誰かが所有したり保有するものではない。

ましてや、メッセンジャーでの会話がそのままニュースになるなんて、思ってもみなかった。

インターネットの無い世界に救われる

頭の中を整理しながら、自分の取るべき行動を考えた。

このメールを読んだときは、職場の同僚とマックでランチしている時だった。
一緒にいた仲間に記事を見せると、皆の意見は一致。

”名誉毀損で訴えろ”

さすがアメリカ人とイスラエル人。”訴える”という行動が日本人と比べてとても身近のようだ。

どうするか討論しているうちに、どんどん時間は過ぎて、仕事に戻る時間となった。なんとこの先は前回ブログでも書いた”世界の頂上”へ向かう。海の上を4日間、インターネット環境なしに過ごさなくてはならない。

でも、これが逆に良かった。グルグル回る頭の中の糸をほどいて、自分が一番取るべき行動をじっくり考える時間があったお陰で、気持ちも落ち着いて、徐々に状況も把握して整理出来た。

この記事は、SNS上では想像以上にこのニュースが話題になっていた。小さな町の地元紙の記事に対し、フェイスブックの投稿に対するコメントは250を超え、沢山シェアされている。俺の写真もこれくらい影響力のある存在になれたら、、と思ったその瞬間、気が付いた。

これは僕の書いた記事ではないが、僕の写真に関する記事だ。つまりこれは、僕の撮った写真がこれだけの人に影響を与え、今注目を浴びているという事だ。地元の小さな新聞が書いた記事と思っていたが、いつの間にかニュージーランド全体にまで広がっている。

これはチャンスだ。

一見すると批判的な記事に思えるが、よく見えると写真集の詳細や僕のプロフィール、値段や購入場所まで丁寧に宣伝してくれている笑

幸運な事にこの記事を見て、驚くほど沢山の人がコメントやメッセージをくれた。

法律に詳しい人や、写真家としてニュージーランドで活躍する人、様々な人達がアドバイスをくれた。

”ニュージーランド国民があなたを支えてる!” 

なんとまあ、随分と大きな話題になったものだ。

言ってしまえば僕はただのニュージーランドが大好きな外国人。ニュージーランドの事を日本に伝えようとしているのも、誰から頼まれたわけでもない、自己満かも知れない。

そんな僕をこれだけサポートしてくれて、応援してくれて、励まして勇気付けてくれる、これが俺の愛して止まないニュージーランドの国民だ。

”取った行動はYoutube”

実際、この記事を書いた人や新聞社を訴える事も考えた。向こうが国立公園の写真の権利の話をするなら、こちらにも名誉毀損の話で訴える権利がある。

でも、実際僕は戦うことは望んでいない。

こう思えたのは、タラナキのパリハカ村のマオリ族と出会っていたお陰だ。

ー彼らは、イギリス軍が攻めて来た際、一切の暴力を振るわず、守りに徹してその場を収めた。結果、酷い目にはあいながらも、一人も死人を出さなかったのだ。

彼らの歴史を知っていたお陰で”動画を通してフォトグラファー伊藤 秀海としての名誉とイメージを守る”アイディアを思いついた。

感謝の気持ちを込めて、休憩時間に自分の部屋でビデオを撮影し、Youtubeにアップすることにした。

動画のリンクはこちら。(日本語字幕あり)
https://youtu.be/Id3w3vP8OAc

このブログを書いた時点では、Youtubeをアップしてまだ間もないので、今日のブログはここまで。

DOC(環境省)のホームページを見ると現在、国立公園のプロによる写真撮影についてのルールは曖昧過ぎる。

願いとしては、今回の件でDOCのルールが変わり、自然を守りながらも、フォトグラファーやユーチューバー、ブロガー達が自由にクリエイティブな活動を行えるようになって、そこからニュージーランドの自然を守る人々の意識を更に高めていけたら最高だと思う。

応援したい!と思った方、是非ブログや動画のシェアをお願いします!

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Filed Under: ニュージーランド, 未分類

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SHU ITO ( 伊藤 秀海)
宮城県仙台市
1988年6月3日生まれ

日本とニュージーランドで7年間イタリアンシェフとして勤務した後、長年思い描いた夢を実現するため、30歳を目前に写真家に転身。
旅する写真家として国内・国外を旅して巡り、世界の景色と人の文化をテーマに撮影する他、講演活動や観光PRの撮影など、
幅広く活動している。
アメリカのクルーズ船 ”ホーランドアメリカライン”のクルーズ船に
専属フォトグラファーとして乗船。

これまでに40カ国弱の国々へ訪れた。

第二の故郷ニュージーランドで住んでいた町と三島市が姉妹都市であったことをきっかけに静岡へ訪れ、2018年に初めて写真展を開催。

2019. April   初となる写真集 Like No Otherを出版。  
2020. October
 第二弾となる写真集 Just Like Sistersを出版。

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