SHU ITO

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何もない町

20/06/2019 by shu0603 Leave a Comment

今日の港はModle。
ナミビア出身のラビが言った。

「ここには何もないんだ。別に降りても何もする事も無いから、俺は部屋でゲームするよ」

”何もない町”ってどういうことだろう?と思って俺は船を降りた。

この町の事を書く前に、軽くホーランドアメリカの船で働くフォトグラファーの大まかなスケジュールをマル秘公開しよう。

7:00~11:00 ギャングウェイ(船から降りてくるゲストに声を掛け、船や景色を背景に撮影をする)
11:00~16:00 自由時間
17:00~22:30 スタジオ撮影&フォトギャラリーで写真販売

こんな感じだ。夜ご飯の休憩を抜くと、大体の港に着く日の労働時間は1日5~6時間程。

ちなみにこの仕事の契約期間は6ヶ月だが、その間休みは一度も無い。

ほぼ毎日このスケジュールの繰り返しで、Sea day(港に止まらず、長距離航海の日)は労働時間が増える。ゲストがどこへも行かず、ずっと船の上にいるので、彼らが退屈しないように様々なイベントやワークショップ、フォーマルナイト、撮影会などが行われる。

これまでブログやフェイスブックで色々な街を紹介したり、写真を撮っては公開して、まるで毎日がホリデーのように思う人もいたかも知れないが、案外労働環境は過酷だ。

俺たちが与えられる4~6時間の自由時間は、休憩時間でもあり、洗濯物や必要品の買い物をする時間でもある。

休みなく働く身として、体を休める事も時には大切で、特に”ここはつまらなそう”と判断すると、スタッフは休憩モードに入る。

そんな中、仕事中もそうでない時も常にカメラを持ち歩き、自由になるとすぐに走って外に出て行く俺は皆からクレイジー扱いされる。笑

話を本題に戻すと、今日の港は多くの人から見て、あまり魅力的に感じない港だった。
朝から小雨が降っていて、人々の表情も暗くなる。限られた時間しかないゲストでさえ、外に出るのに躊躇してしまう。船の上にいれば、カフェへ行ってもレストランへ行っても食事はタダ。プールもあって映画も観れて、カジノやジムもある。
1日くらい外に出ない日があってもいっか、と思うのは自然かも知れない。

町を歩き始めると、空がどんどん晴れていって、あっという間に快晴となった!

そして海の奥を見ると、山々が神々しく輝いてる。
街角には花が咲いていて、木の色も美しい。

灯台を見付けたので、Goproでタイムラプスをセットし、少し昼寝をした。

船の上にいると聞こえなかった、聞いたことのない鳥の声が聞こえる。
ノルウェー語で何を言っているか分からないが、じいちゃんとばあちゃんが楽しそうに会話している。

起き上がってバーに入り、ビールを注文して外の席に座り、インターネットにパソコンを繋げて、書き溜めたブログをアップしたり、写真をアップする。

別に大した事をしたわけじゃない。むしろ、どこにいたって同じ事が出来る事しかしてない。

でも、とっても優雅で幸せな気分だ。

Modle、悪くないじゃないか。

長く旅をしていると、覚え切れない数の村や町を訪れる。その中で”ここはまた来たい!” ”いつか住みたい!”と思わせてくれる不思議な場所に巡り会うことがある。

そう思わせてくれる大きな要因はいつでも

“出会った人・食べたもの・泊まった場所”

の三つ。

そのほかに気温や天候、地形や街の規模が自分の好みとマッチするかも勿論ポイントだが、星の数ほどある中から”ここは自分のお気に入り!”となる場所は、上に書いた三つの事が理由になる事が殆どだ。

例えば俺は大きい街が好きじゃないが、ベトナムの首都ハノイはまた戻って住んでみたいと思った。

ハノイは空気は汚いし大きい街で音もうるさい。

でも、アーティストが沢山住んでいて、変な友達が沢山出来た。夜になると集まって、酒を飲みながら誰かが歌う音楽を聴いて過ごした。飯も美味い。

ただそれだけで、この場所には良いエネルギーが集まってる気持ちになってしまうから不思議だ。

他にも、街には何の魅力も感じなかったが、泊まったホステルをえらく気に入って、滞在を1週間伸ばしたりする事も良くある。

大概そういう場所では良い仲間と巡り合って、感性の近い人達からオススメされた場所やお店に行くと、もうすっかりその土地の虜になってしまう。

もし、あなたの目的地に関してネガティブな情報を聞いたとしても、それを鵜呑みにしないで欲しい。

その場所があなたにとってどんな場所になるかは、そこに着くまで誰にも分からないのだから。

小さな町に停泊する巨大船。

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SHU ITO ( 伊藤 秀海)
宮城県仙台市
1988年6月3日生まれ

日本とニュージーランドで7年間イタリアンシェフとして勤務した後、長年思い描いた夢を実現するため、30歳を目前に写真家に転身。
旅する写真家として国内・国外を旅して巡り、世界の景色と人の文化をテーマに撮影する他、講演活動や観光PRの撮影など、
幅広く活動している。
アメリカのクルーズ船 ”ホーランドアメリカライン”のクルーズ船に
専属フォトグラファーとして乗船。

これまでに40カ国弱の国々へ訪れた。

第二の故郷ニュージーランドで住んでいた町と三島市が姉妹都市であったことをきっかけに静岡へ訪れ、2018年に初めて写真展を開催。

2019. April   初となる写真集 Like No Otherを出版。  
2020. October
 第二弾となる写真集 Just Like Sistersを出版。

隔離されたクルーズの生活

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