良く、世界を駆け巡る写真家と見られ、まるで全世界を旅したかのように思われているが、実はヨーロッパへ来るのは今回が初めてだ。
ニュージーランドに住んでいた時に「フランス風」や「イギリス調」の街は見た事があるから、正直そんなに新鮮ではないかもしれないと思っていた。
いざヨーロッパに来てみると、どこを見ても「お~っ!!」と言いながらシャッターを切りまくっている。

アジアを旅している時がまさにそうだった。
タイのアユタヤを初めて見た時には物凄く感動して、いつか行ってみたかったカンボジアのアンコールワットへも行った。もう既にこの辺りから”遺跡慣れ”してきて、~Watという名前を見ても、なんとも思わなくなる。
東南アジアバックパッカーの旅も、ある意味船の旅と同じように、毎日毎日街から街へと渡り歩いていたが、段々と心がワクワクしなくなってくる。
日本から格安航空券でタイに飛んで過ごした1日目は、とにかく興奮したのに比べ、夜行バスでカンボジアを出発し、ベトナムに到着した時の気持ちはもうまるで違うのだ。
勿論、新しい街や出会いにはワクワクする。でも、旅に慣れてきて、東南アジアの景色にも慣れ、非日常が日常へと変わってくると、ワクワクする心は少しずつ減ってしまうものだ。慣れとは恐ろしい。
ヨーロッパに話を戻すと、ノルウェーの街は今まで訪れたどこの国と比べても違って見えた。
特に今日停泊した町”Bergen”は建物一つ一つがとても可愛らしい。

有名な観光スポットであろうフィッシュマーケットでは、様々な海鮮料理屋食材、お土産が売られていて、ついお金を使いたくなってしまう。
この街でもう一つ気に入った点はストリートアートだ。素朴に、でも非常に存在感のある魅力的なアートが散りばめてあるこの街は、歩いているだけで様々な楽しみ方がある。

この船には約1000人の乗客と、約600人のスタッフが載っている。お土産やさん、カスタマーサポート、クリーナーと様々な仕事があり、働き方や時間帯も仕事により全く変わってくる。
フォトグラファーはポートに着くと、毎朝船から出てくるゲストの撮影を3時間ほどやると、あとは4~5時間ほど自由時間がある。この時間に外へ出て、必要なものを買ったり、wi-fiを使ったり、写真を撮りに行くわけだ。
その間もずっと働き続けるスタッフも沢山いる。

半分ホリデー半分仕事のつもりで来るスタッフもいれば、フィリピンやインドネシアから出稼ぎで来て、数年・数十年と家族と離れて船で働くスタッフも多くいる。
船の上でのインターネット事情は中々シビアで、なんと600MBで40ドル!(4200円くらい)
いつも通りにネットを使ったら、wi-fiを買うために為に仕事をしているようなものだ。
だから出来るだけ船上ではwi-fiを使わないようにして、ポートに降りた時にカフェやライブラリに行ってネットを使うようにしている。
そんな中で、休憩室でたまにビデオ通話で家族と話すフィリピン人を見かける。子供の顔を見れて嬉しそうだ。声を聞く限り、子供はまだ話せないくらい幼い。
そのうち、船で働く他のスタッフ達の撮影もしていきたいな。
乗船するゲスト、スタッフも含め、それぞれが色んな想いでここにいる。
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